今回は『石の教会 内村鑑三記念堂』です。最初に知ったのは、電車内での結婚式の広告でした。従来の教会のイメージとは全く異なり、まるで洞窟の中の様なイメージが強く印象に残り、いつかは行ってみたいと思っていました。
まずは入口です。実はここ、AB designと繋がりがあるんです。『何が?』と思われるでしょう。はい、当然です。
実はこのベンチを製作した工場が弊社家具も作っているんです。星のやさんの家具も作っているので、たまに軽井沢に行っていると聞いていため、思わず「来ましたよ!」とTELしてしまいました。もちろんいらっしゃいませんでしたが…
石畳の通路を通り、進んで行くと、内村鑑三記念堂の入口にたどり着きます。教会の有機的な形態同様、地面から壁面までもなだらかな曲面で構成されています。
こちらが教会です。建築はケンドリック・ケロッグ。フランク・ロイド・ライトと繋がりがあるというのも納得です。
内部は外観のゴツゴツしたイメージとは打って変わります。天地創造の5大要素、石・光・緑・水・木で構成されています。石と組合わさったスリガラスのアーチ天井からの柔らかな光が内部を包み、シダやツタが垂れる石積みの壁を水が流れ落ちる。想像通り洞窟にいるかの様な気分になりました。
こちらは教会とホテルを繋ぐ通路です。先程の記念堂への通路とは異なり、床は平坦で、直線基調のコンクリート製アーチで構成されています。しかし教会や上記通路とは全く異なる無機質感や、歩いた時の足下の感覚の違いに、違和感を感じました。『なんか人工的だな…』と。
このアプローチにケロッグが関わっているかは定かではありませんが、石の教会のホームページを見ていると、新しい見方ができました。それはホテルの人工的な空間と有機的な教会を繋ぐアプローチとして、人工的素材の無機質なコンクリートと有機質な石を組み合わせた半有機質な組合せが相応しい、という観点から作られたのかな?と。
またアーチは教会の石の連なりのイメージだけでなく、他にも意味があるのでは?とも思いました。ケロッグは他国の宗教を受け入れる日本人ならではの教会として、石の教会を設計しました。そこで日本人が古来から結婚式を行なってきた神社と教会とを重ね合わせたのでは? だからホテルから教会へ向かう『参道』に、四角いアーチの『鳥居』を設けたのではないか、と。
いろいろ考え始めると、とても面白くなり盛り上がってしまいました。教会の建物とベンチへの興味がきっかけで行きましたが、その意図に合わせてデザインされたであろう入口のベンチ、通路、建物、それらがしっかりと考え込まれた空間は写真ではわからないモノですし、やはり体感する事は重要だと痛感しました。
工場に行った際に是非話を伺ってみようと思いますが、さて推測は当たっているでしょうか?

