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FEEDS

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2006.10 Archive

2006.10.07

13. 24azabu.net 大阪展示

 代官山の展示のオープニングパーティで展示した新作を当時ABの家具を展示販売していただいていた阪急Comfort Qの松村さんに大阪でのお披露目のお願いをしているうちに話の流れで24azabu.netの展示会を大阪で2006年の3月に行う事になりました。
 この展示会で近藤さんは近藤康夫デザイン事務所としても出品されていて、これがとても面白いものでした。ステンレスの板でテーブルとスツールが一体になった何とも表現できないものなのです。実は事前の展示の打ち合わせで図面をみていたのでおおよその形状は知っていたのですが、展示会場に搬入するため梱包を解いたらスチール製の小鳥が一羽スツールの背にとまっていたので、思わず大爆笑してしまいました。
 ここは本来微笑むぐらいでいいところなんですが、爆笑したのには訳があります。製作を担当したのはEXITの清水さんで、ちょこんととまっていたのが同時期にABでお願いしていた鍛鉄のオブジェ用に製作していたはずの小鳥だったからです。芝公園のオフィス街の中の鉄工所で検品のために訪れた近藤さんが、「清水くんさあ、この鳥このへんにつけてくんない?」と言っているのが目に浮かぶようでした。
 製作は納期ぎりぎりで、検品にいったのも納品数時間前だったはずです。まさに「デザインは最後の最後まで考え抜くもの」。そういう訳でこの「CITY」と名付けられた家具にはそうなる運命だったかのように小鳥が一羽とまっており、私と清水さんは施主さんに小鳥が一羽逃げ出した事をどう説明しようかと考えるのをやめることにしたのです。

written by yutaka


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2006.10.11

14. お店をつくろう。

 2005年の冬に私たちは清水さんに間借りしていた芝公園の事務所から引っ越しするため物件を探していました。どうせ引っ越しするなら、きちんと家具を見せられる場所を借りよう、できればお店と言ってしまえるような所を探そうということになり、目黒通り沿いの今の店舗兼事務所の場所を見つけました。
 もともとはD.B.さんという家具屋さんだったのですが、ちょうど出て行かれた後で、ミラー張りのパーティションがのこっていたり、あまり内装コストをかけずにお店にできそうなのと、最上階の4Fで日当りがいいのが決めてでした。
 1月中に引っ越したのですが、24azabu.net大阪展や改装、展示品の製作準備などでSHOPとしての正式なオープンは5月になりました。オープニングイベントではgallery closetさんにお願いして、アートとABの家具をコーディネートしていただきました。
 すっきりとした直線的なABの家具はアートと相性がいいもので、closetの新井さんの手で家具の色調に合わせて写真や絵がセッティングされると、RC打ち放しの無機質な壁面が華やかになり家具もシーンの中で際立つようになりました。
 オープニングパーティではたくさんのお客様が、天気が悪かったにもかかわらずいらして頂き盛況となり、新井さんの手作りケータリング料理も大好評で男所帯のABとしてはもの凄く助かったのでした。
 こうして、いろいろな方の助力があってなんとかSHOP兼OFFICEをオープンする事ができたのです。

written by yutaka

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写真は佐伯陽子さんの作品

2006.10.14

目黒通り

 目黒通りは家具通りと言われているのですが、イメージとしてはユーズドのメッカといった所でしょうか。7,8年前はモダニカさんやマイスターさん、グリーンゲイブルス、karf、ロイズアンティークスさんくらいだったのがこの5年くらいの間に小規模店舗がどっと増えたので賑やかになりました。イームズのブームがあり、北欧ブームがあったので海外から中古家具を買い付けて販売するスタイルの小さな個性的な店が軒を連ね、飽和状態となり駒沢通りまで勢力を拡大しています。

 そんな中にあってやはりさすがに孤高の特殊家具屋、バリバリのモダンで比較的高価格なABには、なかなか皆さん敷居が高いようで入り口で帰ってしまう方が結構多いのでした。取って食ったりしないから後学のために見ていきなせい!!そこの学生さん!!

 しかしSHOPを構えるというのはメリットも多いもので、まずプレスの方の食いつきが違いますね。事務所で細々やってた頃は梨のつぶてだったものが、新しくSHOPオープンというとなんとなく載せてもらえるもので、ELLE DECOさんやCONFORTさん、DESIGN LIVINGさんに家庭画報さん、PENさんに東京インテリアショップファイルvol.3さん、さらに台湾のDESIGN雑誌と取材に来て頂き、掲載していただけたのです。

 プレスの方はトレンドが重要なわけですから、今でいうと少しゴージャスだったり、トルドボーンチェっぽく植物柄をグラフィック的にあしらったり、犬猫豚鹿牛などなんでもいいからユーモラスな動物のモチーフがあったり、ゴシックなイメージをグラフィックやシルエットで抽出したり、クラシックなものを燃やしたり、焦がしたりペインティングしたりすると、もっと取り上げやすいんでしょうけど、そんな粘土が頭に詰まった奴でも思いつくような陳腐なパクリみたいな事できるかい!!おっっと素がでちゃいましたが、50‘sや北欧家具はトレンドなんかにしちゃうからブームが終わったような誤解を生むのであっていい物はいつまでも変わらずいいんです。ちなみに私が目黒通りで一番欲しい家具は、MIZWAという外車ディーラーさんのショールームにおいてあるハーマンミラー社の黒のSOFTPADです。

written by yutaka

2006.10.18

家具の「トレンド」

 現在インテリアブーム、デザインブームの中、インターネットの普及もあいまって、消費者は今までより多くの情報を得る事ができ、自分なりのLIFESTYLEを編集する事が可能になりました。この状況はインテリアに限らず全てのジャンルにいえる事なのですが、過度に供給される情報をうまく処理するための尺度としてトレンドは機能しており、デザイナーよりスタイリストが、DCブランドよりセレクトショップが求められる時代ではトレンド自体がごくごくパーソナルで「こんなカンジ」とかいう個人の中にしか存在しないもの同士のぎりぎりのコンセンサスの中で危うく成立しているニュアンスのようなものに拡散し、尖鋭化されているように思います。

 ミッドセンチュリーの家具をブームに祭り上げたのはハーマンミラージャパンやknollではなく、海外から安くで買ってきた中古家具を付加価値をつけて販売する目黒通りの家具屋さん達だったわけです。逆に言うなら、高付加価値をつける事ができビジネスモデルとして成功させた者がトレンドセッターとなり、多くの追随を生み、トレンドとなる、この方が正確な理解かも知れません。その形態は北欧だったり、えせミニマリズムだったり、過去のグッドデザインだったりと形を変え、様々なトレンドが生まれてきたわけですが、その裏には成功したビジネスモデルがあったわけです。

 しかし、現在の拡散し、先鋭化したトレンドはビジネスにはなりづらいもので、CIBONEがVMDには一番売れないものを持ってくるとして、全面に押し出したネオゴシックのスタイルは若手インテリアデザイナーには影響を深く与えましたが、fine-refineさんの結果を見るまでもなく家具については商業的成功にはつながらなそうです。この場合は以前のE&Yのような役割を担おうとしているのであって、CIBONEがトレンドセッターである事自体が重要な事なのでしょう。ビジネスはDEAN&DELUCAでという事でしょうか。もっとも、トレンドセッターといっても海外のトレンドを持ってきただけで生み出しているわけではないのですが、11月に数名の人気デザイナーによるオリジナルを発表されるそうですから、これからCIBONEは生み出していく側になるのでしょう。

 8年ほど前OZONEでやっていたある若手デザイナー達の家具の展示会で、他の展示をたまたま見に来ていた建築家の中村好文さんに展示を見た感想をお聞きしたところ「家具が20年,30年保つのなら、そのデザインも同じ年数に耐えうるものでなければならない。」とおっしゃっていたのが印象に残っています。何か新しいものを作り出してやるぞという若い気概にあふれた展示ではありましたが、この展示に共感した若者がある程度歳月を経た時、その家具がまだ共感できるものであるかは言わずもがなでした。長期スパンで物事を計画する建築家ならではの言葉であり、家具のトレンドなんて事自体意味が無い事だと気づかされます。

written by yutaka