新作の中でも、製作が難しかったのがA SO003というデニムのソファです。以前からデニム生地でソファを張るというアイデアを近藤さんは持っていたのですが、色落ちの問題でなかなか製作に踏み切れなかったのです。代官山の展示の際はプロトということもあり、また直接体が接触する部分の多くを革で張って出展してみました。

A SO 003 1P デニムと革のソファ
デニムと黒革というのはバッグに使われるような組み合わせで非常に面白いのですが、ソファの形状とあいまって2種の張り地を張り分けることが製作上の難点となっていました。張り地の合わせ目をきれいにあげるためと、張り替えを容易にするためには分解できるような構造にする必要があります。構造の強度を保ちながらノックダウン構造にすることが問題を複雑にしていました。
解決法は非常にテクニカルなことでもあり、忠蔵さんのノウハウなので詳細を書くことは避けますが、伝統的なダボ・ほぞ組の仕口に特注金物を使い発展させた仕口で強度を保ちながら分解可能なものにする事ができました。
椅子張りの須藤さんにも難しい仕事を短期間でこなしてもらいました。長い直線でステッチを縫わなければならず、さらに革を2方向から留めで縫製するなど、難度の高い仕事をこなしてもらいました。
デニムの色落ち問題はデニムの風合いを愛する場合は色落ちを前提できちんとリスクをご説明して販売する他ないのですが、近い感じの生地をポリエステル/綿の混紡で作っていただきました。テキスタイルデザイナーの高橋正さんにお願いしたのですが、コンピュータジャガードという特殊な織機で織るのだそうです。このような様々な方の高度な技術、ノウハウに支えられて一つのデザインが具現化されていく過程に立ち会えるのはひどく贅沢なことだと思っています。
written by yutaka

コンピュータジャガードによるフェイクデニム。化繊混紡なので少しテカリがありますが、色落ち感も表現されています。

